桜 の 基本情報と撮影のコツ

桜は日本を代表する花です。撮影においても春を代表する被写体で、毎年多くの桜の写真が公開されています。
見頃の時期は品種によって異なります。関東の平野部では、河津桜などの早咲きの品種が2月の中旬から3月の上旬にかけて、ソメイヨシノで3月の下旬から4月の上旬、八重桜で4月の上旬から中旬にかけてが見頃になります。山間部では平野に比べて1周間から10日ほど遅れる傾向にあります。
桜を撮影する際には、いわゆる『お花見スポット』は向きません。観光客が多すぎるためです。もし花見スポットで撮影をするのなら、人の少ない早朝に訪れるか、あえて観光客や屋台を写し込んで、花見や祭りを題材とした撮影をするなどの工夫が欲しいです。
桜の撮影でオススメしたい場所は、寺院の桜や、山間部での一本桜です。そういった場所で酒盛りをする人は少なく、観光客の写り込みを気にする必要がありません。また寺院や山間部では副題を見つけやすいことも理由にあげられます。
桜が見頃を迎える頃には菜の花が咲いていることが多いです。ピンクの桜に黄色の菜の花は差し色としても綺麗ですので、桜の撮影スポットでは菜の花を探してみてください。たとえ数本しか咲いていなくても、レンズフードに当たるくらい菜の花に寄れば、綺麗な前ボケを作ることができます。
桜のように小さな花が密集して咲く花ではピント位置にも気をつけたいです。花にピントを合わせたつもりでも、どこにピントがあるのか分からなくなってしまいます。花にピントを合わせるのならクローズアップで撮影し、木全体を写すのなら木の幹にピントを合わせるといいでしょう。木のそばに副題となる建物などがあれば、あえて副題にピントを合わせるのもありです。
天気は可能であれば晴天の日を選びたいです。桜の淡い色は、曇天だと背景と同化してしまうからです。曇りの日に撮影するなら、針葉樹や黒い壁などの暗い背景を選ぶと、桜がより浮き立ちます。
桜の花が見た目よりも白っぽく写ってしまう場合には、ホワイトバランスを調整しましょう。色偏差をマゼンタに寄せるとピンク色を強調できます。ただしあまりやりすぎると違和感が強くなり、好みの分かれる写真になります。マニュアルホワイトバランスの調整が現地で難しい場合には、ホワイトバランス蛍光灯で撮影すると良い結果が得られることもあります。またRAWで撮影しておけば、帰宅後にホワイトバランスの微調整が可能です。